国立科学博物館特別展「元素のふしぎ」にいってきた。

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上野の国立科学博物館がこの夏ぶつけてきた特別展が
「元素のふしぎ」展だ!
去年の恐竜博、一昨年の大哺乳類展に比べると
渋いところを突いてきたなあという印象のこの展示、つい先日見に行ってきました。
情報酔いしそうなくらい盛りだくさんな展示でしたよー。


◆特別展「元素のふしぎ」◆
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2012/genso/
国立科学博物館サイト内公式ページ)
http://www.tbs.co.jp/genso-ten/
(TBSテレビ 公式ページ)


夏が終わって秋に突入してから行くのが私の私たるところです。
開催日が残り3日になってからブログに上げるのが私クオリティです。
10月8日(月)で終わってしまうので、気になっている人はお見逃しなく。


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夏休みは混んでいたのでしょうが、
私が行った日の入り口はこんな感じの空き具合。わあい。


対して、お隣で絶賛開催中のツタンカーメン展
行列も絶賛増量中でそら恐ろしい状況でした。
科博への道すがら前を通ってきましたが、
あんなに混雑している上野の森美術館は初めて見ましたよ……。
スタッフ待機用のプレハブ小屋までできてた。うひー。



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会場に入ると、すぐ目の前にばばーんと周期表が。
周期表ってすっきりしすぎていて、
これが世界を構成するすべてです、と言われても
実感が伴わなくてぽかーんとしてしまうねー。


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しかしこの展示のキャッチコピーは
「世界のすべては、元素でできている。」なので、
ここからこう「いかに世界のすべてが元素か」っちゅうのを見せてくれるわけですよ!


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導入部は、身近なものから。


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「空を構成する元素」で植物を持ってくるセンス。


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標準平均海水。
「標準」の魅力については、いつかてつるさんが書いていたっけなあ*1


この最初のエリアで、元素についての網羅的な話が展示されていました。
ビッグバンがどうのというところから始まって、
同位体がどうの、とか。
周期表の成り立ち、とか。


電子雲をガラス内に彫刻した三次元の模型の展示がきれいでうっとりしたり。


◆電子雲3次元ガラス彫刻模型 NEBULA(ネビュラ)
http://winmostar.com/nebula/cover_page.html



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こちらは元素があしらわれた世界の切手コレクション。
切手コレクターって凄いなあと思っていたら、
協力者一覧に「化学切手同好会」という団体名を見つけて、
細分化されまくった切手収集事情に改めて慄くなど。


◆化学切手同好会
http://www3.tokai.or.jp/smallmiracle/


見よ、この深い愛……!



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さて。
序盤の通路を抜けると、広いフロアに到着します。

ここからが、今回の展示の目玉、「立体元素図鑑」です!
たかさんの記事*2で読んでから、ここを見るのが楽しみだったんだあ。


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壁沿いにこんなパネルがあって、
原子番号1番の水素さんからずらっとそれぞれの特徴が紹介されています。
記載されている情報は、元素名、原子番号、記号、電子配置図、主な特徴、主な用途、原子量、沸点、融点、太陽系存在量、地殻、発見年、発見者、元素名の由来、元素単体、主な製品の実物などなど。などなどなどなど。
確かに、図鑑だ。
恐ろしい情報量だ。
これだけ色々あると、楽しみ方も十人十色になりますね。


一人の少年は元素名を片っ端から音読するという楽しみ方をしていました。
必殺技的なポーズ付きで。わかるわかる。かっこいいよね、元素名ってね。
ウムウムしててね。


デートで来ていたらしいカップルは、化学っ子な彼が門外漢な彼女に全力でレクチャーしていて、リア充爆発しろと言うに相応しい雰囲気をびしばし醸し出ており大変初々しかったです。爆発しろ。*3


タカハシは、元素名の由来をひたすら追い続けるという遊びをしていました。
「重いという意味の単語から、ってあるけど、重い元素は他にもあるよね……」
とか呟いてました。そうだね。他にもいっぱいあるね。



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ものの分かったひとがひゃっほう! する逸品、
世界最大級の多結晶シリコン板。


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こちらは超高純度シリコン単結晶。
今展示、三菱マテリアルさんの名前をそこここで。


私はこのへんのすごさを理解する素養がないので、
自分の生活に結びついた製品を見つけては
「ほほうこれがこの元素の!」と喜ぶという楽しみ方をしました。
これがまた大がかりでとても楽しいんだわ。


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ヘリウムといえば飛行船!


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ネオンといえばネオン!


うおお素人目にもわかりやすい。


酸素のブースのあたりの大型画面では
元素にまつわる実験の映像が流れていて、
老若男女が釘付けになっておりました。
水に入れたり、火を付けたり、
教育テレビの理科の番組で見たことがあるような
シンプルな実験の数々がとっても面白かった。


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身近な応用製品の一例にはこんなものも。
科博の展示でアテニアを見るとは思わんかったなあ。


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科博の展示でクレ・ド・ポー ボーデを見るとは思わんかったなあ。


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体験型展示では元素の重さの違いを体感したり。
金、重い。鈍器。


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テーマ展示のブースも各処に。


光をテーマにしたブースでは、使っている元素が違う放電管が数種類並んでいて、光をスペクトル分解して見せてくれたりしました。きれいだったー!


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こちらは、元素の発色の違いを画材で確認するコーナー。
日本画代表は尾形光琳紅白梅図屏風


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洋画代表はフェルメール
色彩の話になるとフェルメールが出てくるのはもはや定番なんですねえ。


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ホルベインだー、と知っている名前に嬉しくなったり。


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焼物の絵付に使われる元素の紹介は、
色見本の小皿がとにかくかわいかった……!


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ほらかわいい!
元素記号の素っ気ないフォントがとてもよい。
うちの醤油皿にしたい!


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展示も終わりに近づくと、
実生活とはあまり縁のない元素たちに。


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各所で話題を呼んだ「研究上の興味だけで、用途はない」の羅列はこれかァー!
なんて身も蓋もない言い回し!


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こっちは更に身も蓋もない。
笑いながら撮ったのでぶれぶれ写真に。


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用途のないフランシウムさん。



立体元素図鑑の最後には、
理化学研究所ウンウントリウムの最新の成果がパネルと映像で紹介されていました。


◆新発見の113番元素|理化学研究所(2004年のプレスリリース)
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2004/040928_2/index.html

◆3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認|理化学研究所(今年9月の記事)
http://www.nishina.riken.jp/news/2012/20120927.html

◆うん…うん… と りうむ | BLOG 未来館のひと(日本科学未来館ブログによる解説)
http://blog.miraikan.jst.go.jp/other/2012100419174


会場内で行われていた「みんなの好きな元素」の人気投票でも、ウンウントリウムは上位に。
あつい、あついぞ、ウンウントリウム
ウンウントリウムは仮の名で、発見者が確定したらその方々に命名権が与えられるんだそうで、理研命名権を得ることができるのか、どんな名前になるのか、とても楽しみです。
ウンウントリウムって無駄に声に出したくなるなあ。


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とはいえ、橋族の窪橋としましては、
ハッシウムをえこひいきしていく所存。



世界で一番美しい元素図鑑

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元素生活 Wonderful Life With The ELEMENTS

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えれめんトランプ

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