休日のブランチにぴったりなチャーハンの、あんまり美味しくない作りかた


美味しくなるはずの食材を使って美味しくないごはんを作るのは私の美意識に反するのですが、まあ、できてしまったので、事の顛末をレシピ風に書き記すことで原因を究明すると共に、食材にごめんなさいの気持ちを表し、深く反省して今後の改善の糧としたいと思います。糧にしたいと思います。ごはんだけに。


◇◇◇◇◇


1.
材料を用意します。休日のおうちごはんと言えば「冷蔵庫の余った食材で適当に」というのがデキる人っぽい言い回しなので、その方向を目指します。今回は、冷やご飯軽く1膳、卵1コ、納豆1パック、ピーマン2コを用意。


2.
卵かけご飯を作っておきます。「料理初心者がぱらぱらチャーハンを作るにはあらかじめ卵かけご飯を作るのがいい」とどこかで聞いてから、馬鹿正直に毎回卵かけご飯を作っています。一体何をもって料理初心者から卒業できるのかが長年の疑問。卒業したら何になるのかも長年の疑問。初心者の次は中級者なのかな。料理中級者って何だ。ともあれ、ピーマンは小さめの角切りに。納豆は混ぜてほぐしておきます。


3.
大きいフライパンを出してくるのが億劫なので、手近にあった明らかに小さいフライパンを用意します。


4.
油を敷きます。フライパンにうっかりどぼっと出してしまい、「あ……」と言います。けだるい休日なので、驚く声もやる気に欠けます。そして、まあいっかー、と思います。


5.
ピーマンと納豆を炒めます。


6.
ピーマンに良い感じに火が通ったこのタイミングで、「そうだ、しめじもそろそろ使わなきゃ」と思い出します。


7.
よせばいいのにしめじ投入。火が通っている食材を別の皿に移すような細やかさはないので、ピーマンのシャキシャキ感がみるみる消えて無くなります。


8.
卵かけご飯投入。お玉やフライ返しなどの幅広いものでご飯の塊を潰すように炒めると美味しくできるんですよね。知ってるよ。知ってる知ってる。しかし洗い物を増やしたくないあまり、頑なに菜箸で炒めます。


9.
納豆に付いていたタレを鍋肌に垂らしかけ、「香り付け……ふふ……」と悦に入ります。


10.
フライパンの小ささが効いて火の通りが遅く、見た目にもぺしゃっとできあがります。


11.
お皿に盛りつけます。立体的に、せめて、おいしそうに。


12.
盛りつけ終わったタイミングで、塩胡椒を入れ忘れたことを思い出して落ち込みます。けだるい休日なので、落ち込みかたも真剣味に欠けます。


13.
塩胡椒を食卓に用意します。あとから振りかけてもそう変わらんだろう、と思い込むことで、落ち込む自分の心に折り合いを付けます。


14.
ランチョンマット選びを面倒がって、手近にあった明らかに食欲減退しそうな水色を使います。


できあがり。


炒飯


これだけ酷い作り方をしてもそれなりに仕上がってくれるチャーハンにありがとうをいいながら頂きました。
ありがとうチャーハン。
偉大だなあチャーハン。
ごめんよ、食材。