いろいろありがと犬橋

さようなら犬橋


コハシの保育園連絡ノートより抜粋:

日曜日は久しぶりに父方祖父母と遊びました。コハシのあまりのはしゃぎぶりに驚きました。少し悲しいお別れ(犬が亡くなりました)がありましたが、分かっていませんでした。17才のビーグルです。 《記:タカハシ》


◇◇◇◇◇


コハシには、犬橋が死んでしまったこと、死ぬと寝たまま起きなくなること、もうご飯を食べたりお散歩したりしないこと、などを話してみた。コハシは何やら神妙な顔で聞いていた。大人たちの泣き顔が異様だったのかもしれない。


帰り道、義父に駅まで車で送ってもらっている時に、コハシがふいに「犬橋、もう歩かないんだって。困っちゃうねー」と言った。義父と義母は「困っちゃうんかい。コハシはいろいろ喋れるようになったなあ」とひとしきり大笑いしてから、「そうだねえ、困っちゃうねえ」と呟いた。


ねえ。
ほんとにね。
私たち、あなたがいなくなると困っちゃうんだよ、犬橋。