もじゃもじゃ頭は俺にまかせろ(追記あり)
※文末追記しました(7/14)
先日、直毛界からもじゃもじゃヘッド界(以下「もじゃヘッド」)へ華麗な転身を遂げられたある男性の記事を拝見しました。
http://webdog.be/archives/09630_003805.php
生まれついての天然パーマもじゃヘッドである私から見ても素晴らしい変身ぶりで、いささか嫉妬を覚えるほどでございました。
もじゃヘッドの醸し出す反社会的な香り・マイノリティ故の悲哀は、閉塞感あふれる現代において非常に魅力的なものでしょう。茂木健一郎氏を始めとする強力なファッションアイコンを得た今、もじゃヘッドを模倣する人がますます出てくるものと予想します。
さて、パンクファッションはアナーキズム抜きには語れないように、ある種のファッションを標榜するならば同時に文化的背景も理解する必要があります。しかし、もじゃヘッドは未だ本格的な分析がなされておらず(何事も意欲的に発言される茂木健一郎氏がこの分野に限っては口を閉ざしているのが残念でなりません)、新規参入者にとっては敷居が高いのが現状です。私も専門家ではないので包括的な概略を述べることは出来ませんが、せめてわたくしの個人的な経験をお伝えすることで、これからもじゃヘッド界に参入しようという皆様の一助になればと思い、この記事を書く次第です。
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- あだ名:
チリチリ、ボンバー、ボンバヘ、ドリフ、ライオン、サイババ、バルデラマ、ホビット、鳥の巣、その他。もじゃもじゃ属性が付く全てのものがあだ名候補となる。世代が違えばボーボボやモギケンなどとも呼ばれたであろう。
- 校則
校則は直毛の人間しか想定していないため、諸々の不具合が起こる:
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- 校則を守っておさげにしたらあだ名が「しめなわ」になった。
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- 校則を守って前髪を短く切ったら、前髪が重力に逆らって降りてこなくなった。前髪だけモヒカン状態。ピンで留めて難を逃れたが、危うく「でこボンバー」というあだ名が付けられるところであった。
- 校則が無くなってからは開き直って天パ全開の頭にしているが、わざと妙なパーマをかけていると誤解され、奇異の目で見られることが多い:
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- 知らないおじさんおばさんに説教される。決め台詞は「親からもらったままの姿が一番良いんだよ」「自分はその髪でいいと思っているだろうけど、何も手を加えないほうが似合うんだよ」他。天パだとご理解いただいたときの気まずさがハンパない。泣きっ面に蜂とはこのことである。
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- 上司がこっそり「窪橋さんはまだ若いのになぜあんな髪型なんだい?(おばちゃんパーマ的な意味で)」と聞きまわったことが判明。さらに、聞かれた先輩が「そっとしておいてやってください」と返答したことも判明。フォローする気ないでしょ先輩。四面楚歌とはこのことである。
- 雑誌切抜き問題:
髪型を変えたいときには美容院に雑誌の切抜きを持参するのがセオリーだが、そうはいかないのがもじゃヘッドである。
極度のもじゃヘッドの場合、巷のファッション雑誌に掲載されている髪型は再現不可能。どうしてもという場合は外国人タレントを採用することになる。関根勤似*1の私がジュリア・ロバーツの切抜きを持っていく恥ずかしさを想像してみろ! 耐え難いぞ。
- 直毛に加工した場合:
たまに縮毛矯正でストレートヘアにすると*2、周り(特に年配の方や男性)のウケが良すぎて逆にへこむ。天パを「すっぴん」、縮毛矯正を「化粧」と読み替えると、一般の方にも私の気持ちを分かって頂きやすいのではないかと思う:
例)
「化粧したんだ? すごくいいよー」
「化粧似合ってるねー」
「化粧してたほうがいいよ!」
「ずっと化粧を取らない方がいいよ!」
「正直すっぴんはどうかと思っていたんだよ!」
- 遺伝(追記参照):
縮毛は優性形質のため、「家族の中で自分だけがもじゃもじゃ」という状況も成り立つ。というかうちがまさにそのタイプ。亡祖父の形質が一世代飛び越えて私のみに発現しているため、両親も妹もくせ毛の悩みとは無縁。家族に理解者皆無。妹に至っては美容師が褒めちぎる程の緑なす直毛で、「パーマがかかりにくいのーん」とか言ってやがり非常に妬ましい。
- 海外での反応:
欧米ならばこの頭でも馴染むだろうと夢見ていたが、あちらさんはアジア人の見分けが付けにくい上に名前も覚えにくいため、結局「カーリーヘアの日本人」と呼ばれることになった。私のアイデンティティはそこか。そこだけなのか。ちなみに友人は「カーリーヘアの子の友達」。友人共々、自分探しの旅の途中で自分を見失いかける。
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いかがでしたでしょうか。
もじゃもじゃヘッド界の雰囲気を感じ取っていただけたならば幸いです。
少しでも興味を持ったあなた、もじゃもじゃヘッドになってみませんか?
ここで一句
もじゃもじゃがいいねときみが言ったから 7月7日は結婚記念日 窪橋
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追記 7/14
id:NATROMさんから、「優性形質だったら父か母は表現型は同じはず」とご指摘いただきました。ありがとうございます。遅くなってしまいましたが、追加訂正させていただきます。
この記述に引っかかった方は、なんとも収まりの付かない気持ち悪さを感じたと思います。本当にすみません。ご指摘いただくまで、「優性→家族に1人だけでもしょうがないよね」、と思い込んでいました。なぜだ。恥ずかしい。ちょっと考えればわかるだろうに。あああ恥ずかしい!
ちゃんと調べてばばーんとカッコよく訂正記事を書きたかったんですが、まず何を持って縮毛と定義しているのかを示す資料が見つからず、断念しました。もうどこをどう訂正したものやら。妙に賢ぶらずに、家族の中で1人だけ強烈なもじゃだってことを素直に書いておけばよかったのでしたそうでした。全部消しちゃいたいくらい恥ずかしいですが、自分への戒めに残しておきます。id:NATROMさん、本当にありがとうございました。
なんともしまらないですが、家族全員の髪質をご紹介することで、訂正とさせていただきたいと思います。
うちの家族の髪質はこんな感じです:
- 母; あーちゃん(あくまで髪質の話です)
- 父: 温水さん(多分直毛でした)
- 妹: かしゆか(あくまで髪質の話です)
―越えられない壁―