リスと悪魔

折り紙は!
オノレとの!
たたかいと知れッッ!!


今回の相手は川崎ローズだ!


…という予定を変更して、
「インタビュー・私と複雑系折り紙との出会い」をお送りします。


◇◇◇◇◇


K橋さん(以下K): 私が小学校の、ええと、低学年の頃だったと思うんですけど、両親が1冊の本をくれたんです。「ビバ! おりがみ」っていう。折り紙の設計理論が数式を交えて書いてあるような本で、もう見るからに大人向けなんですよ、表紙からして凄みがあって。「悪魔」が大写しにされてるんですけど。悪魔、知ってます? 折り紙の金字塔っていうんですか、そういう有名な作品で、前川淳さんって方が作った折り紙で、めちゃくちゃ怖い造形なんです。目がつり上がってて、口からベロがダラァーって出てて、尻尾もついてて。あと指が、両手指5本ちゃんとあるんです。ぐわーって掴みかかってきそうな手をしてるんですよ。(→参考画像



ビバ!おりがみ (1983年)

ビバ!おりがみ (1983年)

現在絶版。図書館ではわりとすぐに見つかるかも。



K: 悪魔も、今見ればまぁ可愛いかなーとか思いますけど、当時は…ねぇ。普通に怖かったんですよ。あれ、間違って子供が買わないように表紙でビビらせてたんじゃないかと思うんですけど、うちの親は買ってきちゃいましたね、古本屋で安かったとか言って。「あなたの好きな折り紙の本よー」とか言っちゃって、ちゃんと中身見て買ってきたのかよ! みたいな(笑)。渡された時は正直どうしようって感じでした。まぁ折角だから折りましたけど、どの作品も難しすぎて途中までしか出来ないんですよ、小学生だから。悪魔なんて手順が100越えるんですよ? ハンパないですよ。普通の折り紙じゃ小さすぎるし。とにかく折り始めてみたら挫折、2回目も挫折、新聞紙で大きな紙を作ってリベンジしたものの途中で破けて挫折。あんまり折れないんで嫌になって、それ以来折ってないです、悪魔は。



本格折り紙―入門から上級まで

本格折り紙―入門から上級まで

「悪魔」の作者、前川淳さんの折り紙集。
悪魔の折り方も再録、前川さんの解説付き。りすは「ビバ!〜」とは違うバージョンが載っているらしい。いつか買う。



K: 「りす」は、あの本の中では易しめの作品だったんで、小学生の自分でも最後まで折れたんですよね。もう嬉しくて嬉しくて。折り方を覚えちゃうくらい何度も折って、引き出しの中はリスだらけ。折り紙の興味は中学くらいでなくなっちゃったんですけど、リスだけはずっと折ってましたねー。でまぁ、忘れられないわけですよ、悪魔を(笑)。リスを折りながら「ああ悔しいなぁ、まだ折れないんだろうなぁ」って。最近また折り紙をやりはじめて、って言ってもまだ複雑なのは失敗ばかりなんですけど、やっぱり思い出すのは悪魔なんですよね。ただもう失敗したくないんです、悔しいから。いろんな折り紙を折って腕を上げて、次に悪魔を折る時は一発で完成させてやる! って思ってます(笑)       (収録・都内某所)




戦績: 3分



◇◇◇◇◇




◆3こま劇場『きのこたけのこ』◆




「やっぱきのこが最強だよネー」




「タケノコとか言ってる奴の気が知れないZE☆」
「……………(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)」




「りすくん逃げてええええぇ!」



出演:
リス君  (きのこ党)
ティラノ君(たけのこ党)
piglet君 (あえての切株党)


関連


折り紙作品「悪魔」が登場する本、2冊。
迷路館の殺人 (講談社文庫) 時計館の殺人 (講談社文庫)