気付いたらもう新生児じゃなかった
id:akirahsさんの子育て記事(http://d.hatena.ne.jp/akirahs/20120301/p1とか)が大好きなので、まねっこしてTwitterをまとめました。新生児って生後28日未満の人のことを言うんですね。あっという間だったなあ。駆け抜けたわー、新生児期。
◇◇◇◇◇
挨拶
■コハシ、私の母に「こんにちは、世界で一番美しいおばあちゃんですよ」と自己紹介された途端、すごい顔で泣き出した。
細切れ睡眠
■寝てほしい
アヴァンギャルド赤子
■コハシを抱っこしていると、服がずり上がって首回りに溜まり、極端ないかり肩の人みたいになる。既視感あるなあと思ったら、あれだ。クラウス・ノミさんにそっくりなんだ。
- アーティスト: Klaus Nomi
- 出版社/メーカー: RCA Victor Europe
- 発売日: 2005/02/16
- メディア: CD
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思わせぶり赤子
■調子良く乳を飲むので「おっ、いけるクチだねぃ、もう1パイいくかい?」ともう片方の乳をスタンバイしている間に寝落ちするの、地味にがっかりするのでやめてほしい。
荒ぶるホルモン
■ホルモン恐るべし、産後のホルモン変化恐るべし。わたくし現在ホルモン変化の影響で全身に湿疹が現れてかゆかゆ人間と化しています。ホルモン変化めー。
ほくそ笑む妹
■かゆかゆで辛いと妹に訴えたところ、「ふふふ……辛いだろう……アトピー患者の苦しみがわかったか!」と喜ばれた。優しさ皆無。同じ苦しみを分かち合うもの同士の優しい言葉とかそういうの皆無。
流行りモノ
■赤子の顔は日々変化すると聞いた通り、コハシの顔も日々変化。着々と大和田常務系ダンスィへの道を歩んでいる。……止められないものか、この流れ。
いただきもの自慢
頓服パラ子さん[twitter:@alchmistonpuk]さんがフェルト細工のモモンガを作ってくださいましたワーイワーイ。モモンガはアイヌ民話の中で子供の守り神として登場するのだとか。
■瞳が神秘的な守り神さん
混合授乳
■「あなたが求めているのはこの右の乳ですか、それとも左乳ですか」「ふえぇあああああぁ」「正直者め、哺乳瓶でミルクをあげましょう」……母乳、もう吸われ尽くしてすっからかんだからねえ。足りないよねえ。
でたらめうた量産
■コハシに出鱈目な歌を歌いはじめて数週間、定番の曲が出来上がりはじめた。ひとつは「乳を飲み続けるのか寝落ちするのかお伺いを立てるの歌」、もうひとつは「げっぷが出るまで終わらない歌」です。
その後も「オムツ替えのうた」「泣いている原因を探るうた」「今日も寝ないんだろうなあと諦める自分を鼓舞するうた」などが出来ており、毎日ややヤケクソ気味に歌われています。
ひとりごとも量産
■コハシはおならやうんちをする前に決まった表情をするので、見つけた時には「その時胃腸が動いた」と題して即興でナレーションをつけることにしています。ただ、元ネタの「その時歴史が動いた」をちゃんと見たことがないので、仕上がりはプロジェクトXふう。
参戦
■【悲報】コハシに背中スイッチ*1実装のお知らせ
■「背中スイッチ」でTwitter検索をかけると、今まさに奮闘している戦友たちの勇姿が。
ほくそ笑む妹アゲイン
■しゃっくりが止まらず泣くコハシの相手をしていたら、妹が子守りを代わってくれた。安心して席を外し、所用を済ませて戻ってみると、「しゃっくりを百回すると死んじゃうんだよ……ふふ……」と、とんでもないことをコハシに吹きこむ妹の姿が。コハシ、泣き止んでた。しゃっくりも止まってた。
機能不全
■本日の発見: コハシに子守唄を聴かせると、目覚める。
■ここ数日、そうなんじゃないかと薄々感じていたが、確信しました。コハシ、子守唄で起きる。しかも元気になる。
あざ笑う妹
■コハシを実家に預けて外出することに。出掛けに妹が「ハッハァー息子は預かった! 返してほしくば相応のモンを用意してもらおうかー」と言うので、ブルブル泣く小芝居を打ちながら「い、今は持ち合わせがこれしか……」と替えの紙オムツ5枚を手渡しました。「話にならねえなあ!」と見送られました。
がんばれ吸啜反射*2
■コハシが目詰まりしたパイプみたいな音を立てて乳を飲んでいる。ちゃんと飲めているのか。ちゃんとお腹いっぱいになって寝てくれるのか。
■まだ寝るな! お前の吸啜反射はそんなもんじゃないはずだ!
いいぞモロー反射
■モロー反射(音などの刺激に手足をビクッとさせる反応)、面白い。数ヶ月で消えてしまうのが惜しい。しかし大人みんながモロー反射を持っている世界になると、レストランでフォークが落ちようものならお客さんもコックもビクーとなって大惨事だ。それは困る。
いただきもの自慢2
■てつるの人id:tetzlから頂いたスタイ、書いてあるメッセージが意識高い
認識が偏っている妹
■例のスタイがパンダの飼育繁殖で多くの功績をあげているアドベンチャーワールドのものだと妹に伝えたら、「ああ、『そのパンダニュース、上野動物園だったら全国区だったのに』でお馴染みの……」という返事が返ってきた。なにその残念な認識。
タカハシの懊悩
■数日間コハシに会えなかったタカハシが、「夢を見た」と言う。「夢の中でコハシがもう歩いてて、なんか俺、『はいはいするとこ見られなかった』ってすごく悲しい気持ちになって……」と本気で落ち込んでいる。お宅の息子さんはまだ首も据わっていないので安心してほしい。
孫を孫とも思わぬ
■赤子の顔は一瞬で赤らんだり白く冷めたりする。母はその様子がまるでイカの体色変化のようだと言い、コハシに「イカお」という呼び名をつけようとしている。やめてください。
寝息
■コハシは「ぷつ、ぷつ、しゅうしゅう」って、ご飯が炊き上がる直前の炊飯器みたいな寝息を立てる。時々「ぴー」って言う。
↑これに対し、
確認しました。↓
■コハシが炊飯器みたいな音を立てる件、タカハシに確認したらあっさり同意を得た。私が産んだのは炊飯器だったかと疑いを強めたその時、コハシから「キュヒュウウゥ……ン」という音が。「コハシ、それはガスか何かの機械が電源を落とす時の音だよ」と指摘するタカハシ。私が産んだのは一体なんだ。
寝顔
■膝の上で寝かしつけることに成功したのだが、この角度から眺める寝顔が親バカ的に最高見飽きないのでお布団に運ぶ踏ん切りがつかない。ああ、この小さい口。つるっとした鼻。なぜか苦しそうに顰められた眉。
◇◇◇◇◇
そんなこんなであっという間に毎日が過ぎていく。
腹を割って話そう
帝王切開
↓
なんやかんや処置
↓
窪橋「改めまして、今後あなたの保護者を務める窪橋と申します。宜しくお願い申し上げます」
赤子「ほえぇあああああぁ」
どうだ、これが本当の「腹を割って話す」ということだー!
◇
腹から出てきたのは、男性器とへよへよした髪を持つ、3000gくらいの重さの人でした。
Web上ではコハシと呼びます。子橋。小橋。どんな人となりをしているんだろうなあ。
見守ってくださった皆様、ありがとうございました。名付けについてのアドバイスもありがとうございました。名前、決めました。決まりましたよ。これで決定だね? と最終確認した時のタカハシの台詞は、「うん、もう、考えるの疲れた……」でした。
途中経過をあまりお話しせずにおりましたが、おかげさまで予後順調に過ごしています。取り急ぎご報告まで。
私の考えた後ろ向きな絵手紙
↑これは今年の初めに描いた書き初めです。ダイオウイカの特集番組で盛り上がっていた頃でした。
「#後ろ向きな絵手紙(http://togetter.com/li/559728)」に触発されて、いろいろ描いてみました。皆さんが彩色したり落款印を押したりと立派な作品を挙げておられる中、私は筆ペンでノートに書き散らしただけ。数だけは増えましたので、まとめてみようと思います。
◆◆◆◆◆
1枚目。
博打的な。
◇
2枚目。
ダイエットは明日から、って数日前にも言った気がする。
◇
3枚目。
これを描いているあたりで、タカハシから「君がやるべきことは他にも沢山あるよね?」と突っ込まれはじめました。
◇
4枚目。
逃避するために旅に出たところでこうなるよね。
◇
5枚目。
しかし家に引きこもったところでこうなる。
◇
6枚目。こべにん id:kobeni_08 から飛んできたお題。
郵便局で売られている暑中見舞いハガキには、漠然とした不安をかき立てる絵柄が多いと思います。
◇
7枚目。ザンボットさん id:zanbottosan さんから飛んできたお題。
分かりにくいですが、描いたのはワライタケです。
◇
8枚目。[twitter:@gan_jiro]さんと[twitter:@Butayama3]さんから飛んできたお題。
分かりにくいですが、描いたのはししとうです。
◆◆◆◆◆
以上です。楽しゅうございました。
名付けままならない
父が養子に出されることは産まれる前から決まっていたそうだ。詳しいことは知らないが、産まれたらすぐに育ての親(私の祖父母)に引き渡され、名前も祖父母が付ける手筈だったらしい。
ところが、産みの親が手放しがたく思ったのか、何か他に事情があったのか。父の引き渡しは当初の予定よりずれ込み、命名も産みの親がすることになった。
祖父母はそれが心残りだったのかもしれない。
初孫である私が産まれたとき、祖父母は私の命名権を欲しがった。祖父母が候補として挙げた名前は、私の両親の意向とはずいぶん離れたもので、……この話をしてくれた母の口振りから察するに、多かれ少なかれごたごたしたんだろう。みんなで話し合って名付けましょう、とはいかなかったようだ。ままならぬー。
母からこの話を聞いたのは、私がまだ学生の頃だ。名付ける側の気持ちも知らず、名付けられる側の傲慢さで、名付け親なんて誰でもいいのにな、誰にどう呼んでもらえるかの方が大切なのになあ、なんて呑気に思ったものだ。名前が通し番号のように機械的に振られるものだったなら、祖父母の喪失感も和らいだろうに、とも。
「14ひきのシリーズ」という絵本に出てくる10ひきのきょうだいの、上から順にいっくん、にっくん、さっちゃん、よっちゃん……という名前の緩さが、私には羨ましかった。名付けがこれくらい軽やかなものだったらよかったのに。祖父母も両親も気が楽だったろうに、と。
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まあ、今考えれば、祖父母にとって命名権は「所有権を確認する手段」として重要だったのであって、私の意向なんか知ったこっちゃなかったろう。命名権がなければ他の方法で孫との繋がりの確かさを確認しにきただろうし、実際そういう場面は何度もあった。そのほとんどが、孫である私や妹にとってはどうでもいいことだった。私たちにとって彼らは揺るぎなく私たちの祖父母だけれど、私たちがそれを伝えたところで意味がなかったんだろうなあ。さみしい。
翻って、父を産んだ人たちにとっては父への命名が慰めになったのかもしれないと思うと、誰が名付け親でも当人にとってはどうでもいい、とは言えなくなり。……さみしいな。全くもってままならぬ。
さて、時は経て。そんな私が、名付ける側になる日がやってきた。
困るだろうなと思っていたけれど、案の定困っています。
思い入れのある名前をつけたくない、という思い入れが強すぎて考えられない!
命名が子を縛るのではないか、という不安に取り憑かれているのです。困った。
人の未来がそんなにヤワなはずないのにね。
さりとてテキトーにというわけにもいかず。子を孕む前は、命名辞典か何かをえいやっと捲って目ぇつむって指差したやつにしちゃえばいいじゃんね、などと気楽に構えていたのですが、実際にやってみたらそこまで吹っ切れていないことに気がつきました。命名は無作為なほど良いと長年考えていたはずなのに。ええい面倒臭い。わたし面倒臭い。何というままならなさだ。
こうなったらタカハシに任せてしまえーと思ったら、タカハシはタカハシで「こだわらない名前がいい」というこだわりが強すぎて考えがまとまらないらしく、隙あらば私に全権を委ねようとしてくる。
「名前、決めていいんだよ。君のネーミングセンスを全面的に信頼しているよ」
「君こそいい感じにバシッと決めてくれそうじゃないか。決めてくれよ決めろー」
てな感じに、お互いじりじりと間合いを詰めております。間合いを詰めはじめてから既に数ヶ月が経っている。泥仕合もいいところだ。オーディエンスに徹している両家両親もいい加減ハラハラしはじめた。ぐずぐずしていると腹から子が出てきてしまうぞ!
タイムリミットまであと少し。
腹の子は順調です(近況報告)。
心配されにくいタイプ
窪橋は妊婦になりました。
妊婦になったので、つわりにもなりました。
つわりになったら洗面器を掻き寄せて吐き気と戦ったりするのかしらと想像していたのですが、私はそうはなりませんでした。
ただただ、ずっと、眠い。
更に、なぜか、げっぷが止まらない。
気持ち悪さに苦しんだりもしているのですが、傍目には「断続的にげっぷをする人が所構わず寝ている」というひょうきんな状態のため、タカハシは
「もっとわかりやすく苦しんでいれば心配しやすいんだけどなあ」
と困惑の表情を浮かべるのでした。
さて、ちょっと寝込んでいた頃のこと。
しばらくごはんの用意はタカハシに任せっきりだったのですが、その日は気分がよく、食欲もあったので、自分でごはんを作ることにしました。久しぶりに体が楽に動くのが嬉しくて、うきうきと台所に立ちました。
しかし、さあごはんができあがるぞという頃に、私の食欲はどこかへ消えてしまいました。それどころか、気持ち悪い。あんなに楽しみにしていたごはんのにおいが、今や吐き気を呼び起こすものでしかないのです。私はとてもがっかりして、とてもとてもがっかりして、やり場のない気持ちをタカハシに向かって嘆きました。
「もう嫌だ、もうつわり要らない! げっぷ」
「ごはんを美味しく食べたいんだよう、げっぷ。気持ち悪いのに食べるの、もう、嫌だよう、えっぷ」
「……にんぷっぷー*1、げっぷしながら無理に喋るの止めたら?」
「無理しなきゃ喋れないんだい! げっぷ。辛いよう、産んだらそれまでの辛さが吹っ飛ぶって言うけど、吹っ飛ぶくらいなら、えぷ、最初から要らないやい! げっぷ。気持ち悪いの、もういいよう。ずっと眠いのも嫌だよう。痛いのだって、げぇっぷ、無けりゃ無いでいいじゃないかよう。げっぷ、うええええん、タカハシも妊娠してみればいいんだあ、げっぷ」
それまで面白い生き物を眺めるようにニヤニヤ見ていたタカハシでしたが、このあたりで(そろそろ宥めないと後が面倒だぞ)と思ったようで、真面目な顔をしてみせました。しかし急に取り繕ったせいか、口が歪んでへの字になっていました。そして、いまいち気が乗らない声で、
「……そうだね、って言えばいいのかな」
と間の抜けたことを言いました。
それで私も気がそがれて、
「……そうだね、げっぷ」
とぽかんと答えると、タカハシは笑いを堪えるためにますますへの字口になりながら、精一杯神妙に
「『そうだね』」
と言うので、私もますます気がそがれて、この話はなんとなくおしまいになりました。
◇◇◇◇◇
今現在、げっぷも気持ち悪いのも、だいぶおさまっております。眠いのはそのままですが、これは妊娠していなくても変わらないので通常運転だ。安定期、ばんざーい。げっぷ。
*1:タカハシは、私が妊婦特有の発言や行動をすると「にんぷっぷー」と囃します。用例:「にんぷっぷー、つわってるの? やーい」
のとじま水族館に行ってきた。
ゆうくぼさん(id:yu_kubo)とてつるさん(id:tetzl)のふくしま合宿エントリからいらした方、こんにちは! このタイミングで、昨年の10月に訪れた「のとじま水族館」の話を書きたいと思います。なんて間の悪い。
のとじま水族館は、石川県能登島の北の岸にある、海に面した水族館です。旅行前、下調べ中に「てつるさんは行ったことがあるんだろうなー」とてつるぐらふを見に行ったら当然のように過去ログがあって、
http://d.hatena.ne.jp/tetzl/20071108/1194544537
さすがのてつるっぷりに舌を巻きました。これで予習はバッチリじゃーいと勇んだのですが、てつるさんが訪れたのは5年前。その後、ジンベエザメ館がオープンするなど、いろいろ増改築しているんですよねえ。エントリを見比べると面白いかもしれません。
◆のとじま臨海公園水族館◆
http://notoaqua.jp/
◇◇◇◇◇
前日は和倉温泉で一泊しました。早朝、宿の窓から能登島大橋(画面中央)を眺め、あれを渡った先に水族館があるのか……と期待にみちみちる窪橋。一方、運転を面倒くさがるタカハシ。交通手段はレンタカーで、私も運転手として申込んではあるのですが、私の免許証は身分証明にしか使わなくなって幾星霜であり、実質的に運転手はタカハシ1人なのです。すまないねえ。ビール飲みたいだろうにねえ。
さあ出発。道中は風光明媚な景色が続きます。和倉温泉から水族館まで、30分弱のドライブ。
到着! 右に見えているのが2010年にオープンしたジンベエザメ館です。八角形の建物が非日常的でわっくわくですよ!
中に入ると大型水槽がドーンと。通路を下ってゆくにつれ、角度や高さを変えながら水槽内を覗けるしくみ。
能登近海でも見られるというジンベエさん。
◇
入館して間もなく、「マダイの音と光の世界」ショーの時間が来たのでレクチャーホールへ。観客席が備わった小ぶりなホールの舞台側に、横に長い水槽がひとつあります。ここのマダイは音響訓致によって「ある音が鳴るとエサが貰える」と学習しており、音を鳴らすと音源の方へ集まる動きを見せるのだ!
↑で、写真は、左上で音がしているところ。集合している様子が分かりにくいのはひとえに私の写真の悪さによります。実際はもっとはっきりワ〜っと集まっていたんだよ……。ショーが始まるとホール内にピアノ曲が流れ照明が明滅し、メロディに合わせてマダイたちが右に左にズバーズバーと動きます。乗り遅れた動きをするのもいて、いとしい。
◇
写真の悪さといえば。
のとじま水族館は、展示施設がいくつかの棟に分かれているのですが、本館(写真右側)の中で撮った写真がピンぼけだったり写りが悪過ぎたり、ほぼ壊滅状態で泣きました。なんてこったい。
今をときめくチンアナゴも、こんな訳の分からない写りかたを。ああ。ごめんよう。
なんとか綺麗に写ってくれたのがあったかと思えば名前を失念。ああ。君の名は。
写真に収められなかったモノの中に、「クラゲの光アート」なる、ミズクラゲなどを色とりどりにライトアップしたブースがありました。赤や緑の光に照らされたクラゲが暗闇に浮かぶ、サイケデリックな空間だった……。マダイのショーといい、この水族館は光による演出に力をいれているのかしら。
◇
イルカショーの時間に合わせて別棟へ。ショー会場向かいのマゼランペンギンを眺めながら、開始時刻を待ちます。ペンギンの散歩タイムのアナウンスもあったのですが、この日は予定が合わず断念。
ショーの始まりはカリフォルニアアシカの登場から。トレーナーさんと息の合ったパフォーマンスを見せる中、出番前のひとの背びれがチラリズム。
締めに入っている時もチラリズム。
顔ぶれがかわり、次の出演者はカマイルカ5頭とバンドウイルカ1頭、そしてトレーナーおふたかた。カマイルカの軽やかな動き!
カマイルカといえば、のとじま水族館は、人口尾びれの装着に成功しているのでしたよねえ。*1
そしてバンドウイルカの重量感。
客席脇の売店には、折り紙と共にこんな貼り紙が。「はっけ〜ん!!」「もらっちゃおー」って随分カジュアルに人の食べ物を狙う鳥どもだなあ!
◇
カマイルカがこちらに向けてアピールしている! と胸トキメかせたら、隣でオキアミ売ってました。彼らの目当てはこれか。私じゃなかったか。そりゃそうか。見返り無しにモテる状況ってそうそうないですよね……。
こっちの棟にもマゼランペンギン。彼ら、たまにウロコ肌っぽく見えるよね。
◇
もうひとつの別棟へ。水槽から突き出したトンネルを、ゴマフアザラシが行ったり来たり行ったり来たり。
その隣のコツメカワウソの水槽では、生後2ヶ月の赤ちゃんが我々来客をかたっぱしからメロメロにしておりました。
更にその隣には、ジャイアントケルプが印象的な大水槽。水深7mだとか。
イワシの群れってなんで見飽きないんだろうなあ。
◇
更に別棟、「イルカたちの楽園」では、自然光が眩しい大きな大きな水槽トンネルを抜けます。
トンネルの先、イルカプールの真下にタッチングプールがあるのですが、上でイルカがバシャーンとハッスルすると我々がビシャーと濡れてショボーンとなる危険を秘めているらしい。ヒー(ちょっと期待)。
ひやひやしながらイトマキヒトデさんに遊んでもらいました。持ち上げると、びろーんと飛び出ていた管足(白いうねうね部分)がキュッとひっこんでいきます。おくつろぎのところすみませんねえ。
で、ひっくりかえった状態から元に戻る様子をねちっこく眺めるなど。重ね重ねご迷惑かけますどうも。
◇
屋外では、アルダブラゾウガメとケヅメリクガメがひなたぼっこ。
ああ、そろそろお暇するお時間です。
◇
のとじま水族館は、2012年で開園30周年。新しい施設と昔ながらの施設が混在している、居心地のよい水族館でした。近郊からいらした来園者さんとたまたまお話ししたのですが、連休はたくさんの子供連れで大盛況なのだとか。わかるわー。地方からの観光客であるところの我々オトナにとっては、温泉と海鮮と抱き合わせでいろいろおいしい。おいしかったです。へへ。
また来ることができたなら、海の上の海づりセンターに行ったり、バックヤードツアーに参加したい!
後ろ髪をひかれつつ、能登島をあとにしました。
また来たいと思えることはいいことだー。
◇◇◇◇◇
石川旅行の他の記事:
加賀で哲学を齧ってきた。<西田幾多郎記念哲学館編>
加賀で哲学を齧ってきた。<鈴木大拙館編>
走るゾンビ映画/『28日後…』
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映画が見たい、ゾンビ映画が見たい、とゾンビのように唸っていたタカハシがビデオ屋から借りてきたのが「28日後…」だった。ゾンビ映画な気分ではなかった私が「私の目の届かないところで見てください」とお願いしたので、私の留守中に視聴したらしい。帰宅した私が「どうだった?」と声を掛けると、タカハシは不満気に顔をしかめてこう言った。
「……走ったんだ」
「誰が」
「ゾンビが。走ったんだ。俊敏に」
「俊敏に」
タカハシが見たかったゾンビは、走らないゾンビだったらしい。「ウボァーってのろのろ動くゾンビが見たかったのに」と、タカハシは両手を前に出してゆっくり動き、彼が思うところの理想のゾンビ像を体現してみせた。ウボァー。「なのに全速力で走ったんだ!」ウボァー。
「予備知識無しで見ようと思ったんだけど、監督くらいは確認しておくんだったなぁ」
「誰が監督だったの?」
「ダニー・ボイル。トレインスポッティングの」
「ああ、あのよく走る映画」
「そう、あの疾走感溢れる映画。の、監督」
「それはゾンビも走るだろうねえ」
「そうなんだよ、全力疾走するんだよ」
「全力疾走」
「軍人が走って逃げて、ゾンビが走って追いかけてくるんだよ。軍人のゾンビなんだけど」
「軍人のゾンビ」
「で、それを主人公が追いかけるんだよ。主人公メッセンジャーなんだけど」
「メッセンジャー。聞くだによく走りそうな顔ぶれだね」
「走る。まー走る」
それはそれで楽しそうじゃないかと思うのだけれど、今タカハシが求めているのは身体能力に優れたゾンビではなかったようだ。「28日後…」には「28週後…」という続編が出ているので、よく走るゾンビを見たくなった時に迷わずに済むしよかったねと思って
「『28週後…』は見ないの?」
と聞いてみたのだが、
「見ない」
とやけにはっきりした返事がきた。ウボァー。